2002年度実施の小学校学習指導要領の改訂に伴い、それまでは円周率を3.14と教えていたものを「円周率は3」 と教えることになっていた時代がありました。

このことはゆとり教育の象徴とされていて、社会問題になっておりました。

3.14という数字は小数点以下第2まである数のため、計算するのがかなり手間となっていたので、それを3とすることにより計算力が落ちるとも言われておりました。

しかし、この「円周率を3」とすることの本当の問題について、ニュースではあまり触れられていませんでした。 

今更ではございますが、なぜ円周率が3ではいけないのか説明していきます。 




円周率とは何か

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この問題を話す前に、そもそも円周率とは何かということに触れておきます。   

円周率とは、円周と直径の比の値のことであり、この値はどんなに円が大きくなっても、どんなに円が小さくなっても常に一定の値になる。

数学の世界では、「π」という記号で表され、3.141592・・・と永遠に続く無理数である。


円周率が「3」だと何がおかしいのか

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小学生の知識で分かるように解説してあります。   

下記の図をご覧ください。 

円周率が3ではいけないわけ



半径が1の円に六角形が内接されています。    
この円の円周は、円周=直径×円周率(今回は3で計算する)より 2×3=6 ということになる。   

次に、円に内接している六角形について考えてみる。

円の半径が1なのでOA=OB=1
つまり△AOBは二等辺三角形である 

よって、∠OAB=∠OBA 

 さらに、∠AOBは360÷6より60度なので
 ∠OAB+∠OBA=180度-60度=120度 

つまり、∠OAB=∠OBA=60度 
すなわち、△AOBは正三角形であることがわかる。 

△AOBが正三角形であるなら、 
OA=OB=AB=1ということになる。 

つまり、 AB=BC=CD=DE=EF=FG=GH=1 

よってAB+BC+CD+DE+EF+FG+GH=6 

ということになる。 

ここで矛盾が生じる。 

円に内接している六角形の辺の合計と円周の長さがどちらも6になってしまう。 

見た目でも分かると思うが、どう見ても円周の方が長くなる。   これは、円周率を「3」で計算してしまったからのこのような結果になってしまったのだ。 

もしこれを「3よる少しでも大きな値」で計算したら円周は3以上になる。 

つまり、円周率は3以上数で計算しないとこのような矛盾が生じてしまうのだ。   


この問題をさらに深く掘り下げた東大の入試問題 

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2003年の東大の入試問題で、円周率が3.05より大きいことを証明せよという出題があった。

 この問題の解放を解説するには三角関数などの高校数学の知識が必要となってくる。 東大の円周率に関する入試問題