鬱になる寸前でしたが今はあの経験 私は以前、ゴリゴリの営業会社で勤務しておりました。人によってはブラック企業と言う人もいるかもしれませんが、確かに離職率はものすごく高い会社でした。
私も当時はとんでもない会社に入ってしまったなと思って働いておりましたが、今になってみればそこでの経験はその後のキャリアに大きな影響を与えました。

一応、業界大手の会社で聞いたことがある人もたくさんいるような会社です。 

 

マニュアル通りの営業手法と圧倒的な行動量

IMG_4616

データ 大手企業はどこもそうなのかもしれませんが、下っ端のうちは個人の裁量などほとんどありません。会社の決められたルールに従って行動していきます。

この会社はとにかき行動量がすごい会社でした。基本的にテレアポ等はせず、全て飛び込み営業です。売り上げノルマは設けていない会社でしたが、その代わりに訪問件数がノルマとなっている会社でした。 

 リストに基づいてしっかり訪問件数をこなして行けば必ず案件が獲得できるといったデータに基づいたものでした。 一日の訪問件数のノルマもかなり多く、ゆっくりとカフェで休憩している余裕などありません。 

 その飛び込み先についても自分で決めることはできず、会社から渡されたリストを上から順に訪問ていきます。 そのリストの数はおおよそ500社ほどあります。 

  • 会社規模が大きいく同業他社が取引をしている会社が最も重要度の高いAランク
  • 会社規模が中程度で同業他社が取引をしている会社は Bランク
  • 会社規模が大きいが同業他社が取引していない企業はCランク
  • 会社規模が小さく同業他社が取引している企業はDランク
  •  会社規模が小さく同業他社が取引していない企業はEランク
ランクが上の会社ほど受注に至る確率が高いため、ランク上位の会社には週1回は必ず訪問をしなければなりませんでした。 

ランクが一番下の会社でも月に一回は必ず訪問します。 最上位ランクの会社には毎週訪問しなければなりません。

最初は丁重に断られていますが、流石に毎週訪問していると「もう来なくて良い」と言われてきます。しかしそれでもリストを順に訪問しなければなりません。

もう来るなと言われても訪問を続けれいると怒られるようになってきます。それでも訪問を続けなければなりません。

  • 私も何度も怒鳴られました
  • 何度も会社パンフレットを目の前で投げ捨てられました
  • 何度も目の前で名刺を破かれました
  • 警察を呼ばれたこともありました

それでも毎週訪問を続けます。

そしてやがて「お前は馬鹿か」と呆れられ、相手にされなくなってきます。内線かけても不在と言われて会えなくなります。 

ランクが最下位の会社だとしても毎月のように訪問していればやがて怒られます。 

 私がやっていて辛かったのはこの部分です。もうこの会社への訪問頻度は下げても良いのではないかなと思っていても、そんなことは許されません。 

 そして訪問した際のトークについても、受注獲得しようとといったものではなく、同業他社の状況やキーマンの確認などが中心でした。

つまり、リストの精度を高めることが目的です。 しっかりと精査されたリストがあってそのリストに基づいてしっかり訪問件数をこなして行けば必ず案件が獲得できるといったデータがあるため、それに基づいてこの様な営業が全国的にされておりました。

行動が監視されていたので嘘がつけない

IMG_4615
じゃあ適当に訪問したことにしてしてしまえば良いのではないかと思うかもしれませんが、ちゃんと嘘が付けない仕組みが整っておりました。 

企業に訪問した際には、会社から渡されているモバイル端末で訪問履歴を残さなければなりません。
  • 誰宛に訪問したのか
  • 名刺交換はしたのか
  • 会社パンフレットは渡したのか
などなど、1社訪問する毎に端末に登録していかなければなりません。

そして、その訪問報告が正しいのか監査をする部門もありました。監査部門は全国の営業マンを毎日ランダムに選んでチェックばかりをやっている部門です。

そのため、彼らはそういったことを調べるのを専門的にやっているので嘘を見抜くなんてのは簡単です。

もし虚偽報告をしてばれてしまった場合、懲戒処分が待っています。私も懲戒処分を受けた人を何人も見てきました。 

 そのため、クライアントに怒られるか、自分の会社に怒られるかのどちらかを選択することになります。 自分の会社を敵に回すということは給与や評価にも影響されます。クライアントに怒られるのは怒られるだけでそれ以外には何もありません。 

 その会社はよく

「いくら怒られても命を取られることはない」
とか

「警察を呼ばれるということはお前の名前を覚えてもらえたということだ」

と言っていました。

 それで社内の自分に対する評価が上がるならそれでいいかという思いでやっていました。 

しかしこんなやり方でも意外にも案件獲得が出来ます

FullSizeRender
本当にこれで受注が取れるのかと思いながら営業をしておりました。 内線をかけた時、今日はタイミング良く不在であってくれと思っていました。 

 しかし、クライアントが困る時は急にやってきます。 

怒られ続けていた企業に訪問する時は「またこの会社かー」と嫌々な思いで内線を鳴らしたところ、数か月ぶりに担当者が出てきました。 「やばい。また怒られるか」と思っていたところ、そのまま会議室へ案内されました。

 密室での説教かと思っていると、まさかの案件獲得に成功してしまいました。 しかもその会社は上場企業でAランク企業。 話を聞いてみると、この会社には同業他社も同じように何度も営業に来ていた様です。もちろん私に対する扱いと同じ様に「しつこい」と毎回怒って対応をしていた様でした。

すると他の会社は訪問をやめたようでしたが、毎週の様に訪問を続けていたのは私だけになっておりました。いざ困ったときに他の会社に連絡をすることに躊躇していたとのことでしたが、そのタイミングでまた私が訪問したため、案件獲得につながりました。 

 怒られると言うことは、同業他社からも同様な営業がたくさん来ていてもううんざりしているケースが多くあります。

しかし、同業他社が営業に来ていると言うことは、それだけニーズにある会社ということなのです。ニーズに無い会社には営業なんて行きません。 

 そこをきっかけにその会社とは取引が膨れ上がって私が独占して契約をしておりました。私のメインクライアントにまでなっていきました。 まぁ実際のところ、そういったケースで案件獲得になるのはごく一部で、ほとんどの会社からは嫌われて終わります。 

詰められまくって追い込まれて高い離職率

IMG_0268
そんな営業をやっている会社なので、入社1ヶ月でほどで退職する社員は多数おりました。

もう名前を覚える前にいなくなっています。歓迎会をやる前に退職なんてのはよくあったので、基本的には歓迎会はやりません。

送別会もやっていたようではキリがない状況です。毎日が送別会です。 会社としては訪問件数を守って行けば必ず案件が獲得できるといったデータがあるのですが、それでも案件獲得が出来ない営業マンもおります。

そこには「お前の営業トークに問題があるのではないか」といったことや、「そのリストの精度はどうなのか」など、とにかく言い訳できないほどに詰めまくる文化もありました。

 今月は成績が良かったと思って社内でチヤホヤされていても、翌月になればその空気は全てリセット。成績が悪い月は罵倒の嵐。

そんな経験も無駄にはならずに今に活きています

IMG_4608
とにかく辛い経験でしたが、無駄にはなりませんでした。 今の会社は自由に営業が出来ます。ターゲット選定も営業手法も自由です。

ですがそれは逆に難しくもあります。経験が無い人だとどうやって営業したら良いのかわかりません。 

単価の高い商材を取り扱っている会社だとそんなに数多く訪問するというスタイルではなく、一社一社との深い取引に時間を費やすことになります。

しかし、単価が安い商材を取り扱っている場合だと、それだけたくさんの受注を受けなければ利益が出せません。そのため、多くのクライアントとの接点が必要となってきます。クライアントと接触するには訪問するにが一番手っ取り早いものです。 

 ホームページを調べてテレアポも良いのですが、その時間に大きなビル内なら5社くらい一気に訪問できてしまいます。 テレアポだと何も足跡が残せないのですが、訪問すれば名刺やパンフレットを置いてくることができます。 

 こういった「点」での営業ではなく「面」での営業の大切さについてはとても勉強になりました。 今となっては闇雲に飛び込みまくるということはせず、事前に調べた企業を狙って飛び込みをしたり、テレアポをしたりと色々と工夫しながらやっています。

 あの会社で長年やっていこうと思うと辛すぎますが、数年程度経験すればかなりの経験値が身につきます。私もそこで得た経験が今になって活きてきています。 

入社直後に感じた違和感ですぐに辞めてしまっていたらこの経験もできていなかったことでしょう。何事も経験です。おかしいと思っていてもそのやり方で業界大手まで登り詰めたには理由があります。せっかくなので何か少しでも吸収してから辞めても遅くはありません。 

ブラック企業の代名詞でもあるような「○○通信」もそうですが、そこで働いている間はとても辛いと思われます。

しかし転職市場ではそこでの経験者はとても人気があります。少なくても3年くらい経験してみるとその後良い思いができると思います。

 でももう2度とあんな営業はやりたくないと思っています。