客先常駐エンジニアとは、自社で製品を開発するのではなく、 お客様の会社に常駐してお客様先の製品を開発するための 技術的な労働を提供する働き方のことです。
しかし、ネットで調べてみるとあまり良くない噂が飛び交っています。
「地獄」「やばい」という噂からもあれば、反対に「楽しい」と言っている人もいます。
今回は客先常駐エンジニアの特徴やどんなメリットやデメリットがあるかなどの実態について解説していきます。
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客先常駐とは何か
客先常駐エンジニアとは、自社で製品を開発するのではなく、 お客様の会社に常駐してお客様先の製品を開発するための技術的な労働を提供する働き方のことです。
雇用元は客先の会社ではなく自社で雇用されることになりますが、 お客様先が就業先になります。
雇用されている会社とは別の会社で働くことになるため派遣と間違われることがありますが、 客先常駐は派遣社員ではなく 正社員となります。
しかし、就業先が自社ではなくお客様先となるため、このような働き方を「無期雇用派遣」 と言います。
「派遣」 という言葉が入っておりますが、一般的によくある 「派遣」とは異なります。 無期雇用派遣は待遇は正社員と同様のものとなります。
詳細は後ほど改めて説明致します。
一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、 IT業界では ごく普通によくある働き方です。
客先常駐で働くことの実態
それではここからは客先常駐で働くことの実態について解説していきます。
無期雇用派遣という働き方
客先常駐とは 「無期雇用派遣」 という形態での契約 となります。
「登録型派遣」の場合は派遣先企業との契約ありきでの契約となるため、派遣先との契約が終了してしまえば雇用関係も終了することになります。
しかし 「無期雇用派遣」 は派遣先との契約は関係なく、派遣先との契約が終了しても派遣元との雇用契約は継続します。
もちろん入社後の研修期間や、契約と契約の合間の待期期間も給与は通常通り支払われます。
そのため、長期的なキャリアを考えて安心して働くことが出来ます。
しかし、同じ企業で働けるのはおおよそ2~3年くらいとなり、 その度に職場が変わることになります。
せっかく慣れた職場であっても変わらなければならなくなるのは環境の変化を好まない人にとっては大変かもしれません。
ですが、仕事をしていると必ずどの職場でもある面倒な人間関係も、数年で変わると思えば我慢できることもあると思われます。
様々な会社やプロジェクトを経験出来るというメリットもある反面、1つの分野のスキルを極めにくいというデメリットもあります。
また、派遣先からの評価が高ければ派遣先にそのまま直接雇用されるケースも多々あります。
派遣とはいえ雇用は安定しているので安心して働き続けることが出来ます。 しかし派遣というと 「ピンハネだ」 と言われることもよくあります。
ピンハネしていることは確かですが、派遣会社は労働者の仲介として動いております。
もしそれが嫌なのでしたら派遣という働き方は辞めておいた方が良いでしょう。自分で働き先を探しましょう。
フリーランスで働く場合は自分で仕事を見つけてこなければならないし、 自分の給与や税務関連も全て自分でやらなければなりません。
それを派遣会社がやってくれているのでピンハネされるのは当然のことです。
若い社員が多い
若い社員が非常に多く、経験を積んでいくうちに転職していてしまう傾向があります。そのため、中堅層やベテランが少ない傾向があります。
普段はそれぞれの現場で離れて働いている社員が多いので社員間の交流はあまり無いのですが、その分、社内サークルや社内SNSなどで帰属意識を高めようとしております。
しかし実際に働くのは常駐先での現場となります。現場によって環境は全くことなるため、就業先の雰囲気などはその現場次第ということになります。
例え就業先の人間関係が合わなかったとしてもそのブロジェクトが終わってしまえばその社員とも関わることがなくなります。面倒な人間関係も少しの間だと思えば気も楽にはなります。
しかし、とても満足する環境であったとしてもそのプロジェクトが終了してしまえばそこでの就業は終わってしまいます。
配属現場が決まる流れ
雇用形態は正社員であるため、土日出勤や深夜残業などがある現場は嫌だと言っても基本的には現場を選ぶことが出来ません。
やりたくない業界であっても選べる立場ではないのでやらざるを得ないのが大変なところです。
正社員として働くなら当然のことですけどね。
会社としてはいつまでも研修生として結与を払い続けるよりも早く現場に行って稼いでもらわなければなりません。
そのため、どんな現場であっても社員を送り込もうとしてきます。
とはいえ、あまりにも通勤が困難な現場や転居を伴うような異動というのは基本的はありません。
実際に現場が決まるまでには派遣先と事前に面談を行うことになります。これまでのどんな経験をしているのか派遣先に紹介する場となります。
休日や残業は配属先の現場次第
休日や残業は携わっているプロジェクトに左右されることがほとんどです。
会社としてはいわゆる普通の会社員と同様の土日祝休みで会社で定められた勤務時間となっていますが、実際のところは派遣先の現場に合わせることになります。
派遣先は10時~19時の勤務体系でしたらその時間が定時となります。
夜勤がある現場の場合は夜勤も発生してきます。
残業についても現場毎に異なります。
休日についても同様です。土日の勤務が必須となり現場の場合は土日も出勤となります。
納期に間に合わないような進捗で動いているプロジェクトの場合は 休日出勤や残業は多くなってしまいます。
反対に、余裕のあるプロジェクトの場合は休日出勤も残業もほとんど無いような状況です。
ですが最近は働き方改革で休日出勤や残業が出来ない会社が多く なってきております。
派遣先が大手企業であることが多いので、そうなると派遣先の就業に 合わせる必要があるので休日出勤や残業もほとんどできない状況に なってきております。
また、休日に研修を受けることができます。 エンジニアは常に勉強していかなければ ならないので、会社でこういった研修を用意してもらえるのは良い制度では ないでしょうか。
どんな人が向いているのか
こういった働き方では、未経験者でもしっかりと研修してから現場に 配属されるという会社もたくさんあります。
そのため、技術力はなくて未経験だけどエンジニアになりたい人にとっては入りやすい仕事であります。
また、様々な開発現場を経験出来るため、 いろんな会社を見てみたいという人にも魅力を感じることが出来るでしょう。
さらに、自社社員では足りないほどの開発をするというのはかなり大手 企業である場合が多いため、大手企業で働けるチャンスがあります。
大手での仕事を経験したい人や、場合によってはそのまま大手に 引き抜かれるチャンスもあるので、そういったことを目指している人にとって 良い環境ではないでしょうか。
それ以外にも、フリーランスを見せしている人や正社員になりたいという人にもおすすめ出来る働き方です。
「やばい」や 「地獄」 と言われる理由
客先常駐はこれまで説明した通り、「派遣」 とは異なる働き方となりますが、 それでもやはり仕組みを理解していない人からすると 「派遣」と同じように 見られてしまいます。
そのため、 「どうせ派遣でしょ」 と思われることもあるのも 「やめとめ」 と言われてしまう理由の1つであります。
また、プロジェクト単位で仕事が決まっていくため、環境の変化が 激しい仕事となります。
開発しているものなど仕事内容の変化はもちろんのこと、必要とされるスキルや開発環境も変わってきますし、 人間関係もその都度改めて構築していかなければならなくなります。
それだけではなく、勤務場所や勤務体系も変わってきますので、環境の変化を激しいと言えます。
そこで体調を崩してしまう人もいるため、 「やばい」 と言われたりする 理由でもあります。
また、最近ではコンプライアンス意識が高い企業も多くなっているためあまり起こらなくはなってきておりますが、全くの未経験社を研修なしで お送り込むような会社も以前はありました。
まとめ
それではここまで解説してきた中で、客先常駐のメリットとデメリットを まとめておきます。
メリット
- 派遣ではなく正社員として様々な開発現場を経験できる
- 大手のプロジェクトに参加できるチャンスがある
- いろんなエンジニアと交流が出来る
- 正社員として雇用が安定している
- 正社員と同等の待遇がある
- 就業先企業に直接雇用される可能性がある
- 人間関係が悪くても2~3年我慢すれば別の現場に異動できる
- 採用されるハードルがあまり高くない
デメリット
- 現場が変わればせっかく築いた人間関係をまた一から作らなければならない
- 就業環境が良いのか否かは配属された現場次第
- 就業環境を自分で選べない
- 開発環境が都度変わるので1つの分野のスキルを極めにくい
- 派遣会社の取り分があるので給与があまり高くならない
- 自社社員との交流が少ない
- 上流工程に関わることが難しい
- プロジェクトマネージャーなどを経験するのが難しい
転職するにはどうしたら良いのか
客先常駐のエンジニアへの転職を考えている人は転職エージェントに登録することをおすすめします。
ブラックな会社も多い業界ですので、エージェントからしっかりと情報を収集して応募をした方が良いでしょう。
転職エージェントにはこれまでに採用支援を行った人のデータが蓄積されています。
- どんな人が採用されたのか
- どんな対策を行ったのか
- どんな人は不採用になったのか
1人で考えていても分からないことなので、積極的に転職エージェントに登録をしてまずは相談をしてみましょう。
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