人材業界の求人を見るとこのようなキャッチコピーをよく目にします。
- 人と企業をつなぐ仕事です
- 出会いをサポートする仕事です
- 人のためになる仕事です
このように見るととても楽しそうな仕事のようにも見えます。しかし実態はそんなことありません。これらはあくまで建前であり、実際にはもっと泥臭い仕事です。
そんなことはどの業界でも同じことが言えるのですが、今回は実際に私が働いていた人材業界について業界の裏側を話していきます。
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目次
人材派遣業界の仕事
- 派遣先企業の開拓
- 派遣スタッフの募集や登録面談
- 派遣スタッフを企業へ紹介
- 契約書作成
- 入社手続き
- 入社後の労務管理
- 請求管理
- 契約更新管理
- 退職手続き
おおまかに言うと、上記の仕事をやることになります。大手企業ですと営業担当と求職者担当や事務担当などで別れた分業制を取っている会社もありますが、中小企業ですとこれら全ての業務を1人で担当していくる会社がほとんどです。
ブラック企業しかない人材派遣業界の実態がやばい
どの派遣会社においても共通していることは、とにかくハードな営業です。
これまで私が働いてきた経験から、実際にどんな業界なのか、業界の実態について解説していきます。
休日出勤や残業の量は全てお客様やスタッフ次第
事務派遣をメインとしているところでしたら土日は派遣先も派遣スタッフも休日であるため、派遣会社も休みであるところがほとんどです。
しかし、アパレルや製造業などで土日も稼働しているところですと、土日にトラブルが発生したら対応しなければならなくなります。
また、日中は働いている人が多いため、登録面談や求職者とのやり取りが出来るのは就業後の時間帯になります。
18時~21時くらいが求職者と連絡を取りやすい時間であるため、残業はかなり多い業界であります。 30時間くらいの残業は当たり前の業界であり、50時間以上なんて会社もたくさんあります。
最近は残業に厳しい会社も増えてきておりますので、週に数回は午後からの出勤にするなどで残業時間を減らそうとしている会社もあります。
人材派遣営業の1日の流れ
人材派遣の営業マンの日常はこのようなスケジュールで動いています。
- 9:00朝ミーティング&メールチェック
前日の営業報告、クライアントやスタッフからのメールの問い合わせ対応などを行います。
- 10:00テレアポ
派遣営業には常に新規開拓が必要です。テレアポは毎日欠かさず行います。
- 11:00登録面談
求人開拓だけが派遣営業ではありません。獲得した求人に人を紹介できなければ売り上げは生まれないため、登録面談も大切な営業です。
- 12:00求職者や派遣スタッフに連絡
みんなが昼休みのこの時間は求職者たちと連絡が取りやすい時間です。この時間を利用して一気に連絡を取ります。
- 13:00昼休み
世間一般とはズラして昼休み。
- 14:00営業訪問①
テレアポで獲得した企業へ営業訪問をします。新規クライアント訪問だけでなく、獲得している求人に人を紹介したり、派遣スタッフが稼働している企業にも訪問します。
- 15:00飛び込み営業
アポとアポの間に時間が出来たら飛び込み営業をします。人材業界の場合はターゲットとなる企業は全ての事業所です。飛び込み営業もかなり効果的です。
- 16:00営業訪問②
最低でも1日に2〜3社ほど訪問します。
- 17:00帰社 求人広告作成
その日に獲得した求人を広告媒体やHPに掲載します。他の派遣会社にもオーダーを出しているケースがほとんどなのでスピードは大切です。
- 18:00求職者へ連絡 人選
新たに求職者の登録を促進するだけでなく、過去に登録している人の中からもとにかくひたすらメールと電話で候補者を探します。
- 19:00契約書作成などの事務処理
派遣の営業は100名近くの派遣スタッフを担当しております。常に契約更新などの事務仕事があり、このような事務処理も大切な仕事です。
- 20:00
翌日の営業資料作成 テレアポリストの作成訪問予定企業毎に資料をカスタマイズして他社との差別化を狙います。また、常に新規開拓営業があるので営業リストの作成はとても大切です。
- 21:00退社
ようやく退社。ですがこの時間になって派遣スタッフから辞めたいなどの相談が来ることもよくあります。
年収が低い理由は派遣会社の利益構造
派遣会社の利益とは、
派遣先からの請求金額 – 派遣スタッフへの支払い額
から成り立っております。
一般的な事務職の場合、月35万円を企業から請求して、派遣スタッフに26万ほどを支払うことになります。
しかし残った9万円がそのまま派遣会社の利益になるわけではございません。残った9万円の中から、各種保険や派遣社員の有給休暇を支払うと派遣会社に残るのは約5万円ほどとなります。

その中から、広告費やオフィスの賃料などを支払うとほとんど残らないのは分かっていただけることでしょう。
派遣会社に残る営業利益は、派遣先に請求した額の1.2%(約4500円)ほどになります。
これだけ説明してわかるように、派遣会社は儲かりません。
そのため、社員に支払う給与もごくわずかになってしまうのは当然のことです。多額の給与を支払ってしまったら会社の経営が出来なくなります。
派遣の営業がきつい理由
上記で利益構造を説明した通り、1件あたりの利益が少ないためそれだけ多くの派遣社員を送り込まなければならないので、数多くの営業活動が必要なります。

1社毎に深いお付き合いの関係なんてものより、とにかく数の勝負です。
全ての事業所が営業先のターゲットとなるので、営業リストは無限に作り出すことが出来ます。
ほとんどがテレアポか飛び込みで開拓しているので、ひたすらテレアポや飛び込みで新規開拓営業が出来る気力が必要となります。
また、派遣のマーケット全体は飽和状態であります。新たに派遣社員を採用するというよりは、今いる派遣社員が退職するのでそこのポストを取りに行く営業がほとんどです。
オセロゲームのように、「他社の派遣スタッフをいかに自社の派遣スタッフに置き換えられるか」という営業になります。
そのため、他社の派遣スタッフを多く使っている会社にどれだけ営業に行けるか、そういったリストをどれだけ集められるかが最も重要となります。
しかも派遣業界の場合、大手と呼ばれるスタッフサービス、アデコ、 パソナ、パーソルテンプ、リクルートスタッフィング、マンパワーを全て合わせても業界全体の10%ほどしかシェアを持っておりません。
残りの9割りは中小企業なので、中小企業でもチャンスはいくらでもある業界です。
また、そこまで専門的な知識が無くても営業は出来てしまいます。他社との差別化もあまりないので、派遣先の担当者と派遣会社の営業との相性も大きく関係してくるため、女性営業が強いというのも特徴的です。
板挟みがつらい
派遣先企業、派遣スタッフの間に立つ仕事であるため、常に板挟み状態で仕事をすることになります。
しかも最近の派遣スタッフは問題のある人がとても増えてきています。就業に制限のある主婦層などが派遣を選んでいる場合は良いのですが、正社員になりたいにも関わらず正社員になれない人が一番の問題です。
これだけ正社員になりやすい時代になったにも関わらず正社員になれないのは、何か問題があります。

正社員になりたくてもなれないので結果的に派遣に辿り着いている人が多いため、問題のある人のレベルの低いクレーム対応に追われることになります。
そして派遣先から派遣スタッフに対するクレームも受けるため、自分の力とは関係のないところでトラブルが多発している状況が止まらないのです。
その営業担当は何も悪くないのに、常にトラブルに追われていてストレスで精神的におかしくなってしまった人を私は何人も見てきました。
派遣社員が起こすトラブル事例
どんな仕事をしていてもトラブルやクレームは付き物です。しかし、派遣スタッフのトラブルやクレームはレベルが低すぎてある意味笑えます。
- 入社日に来ない
- 遅刻しても平然と業務を開始する
- 突然出社しなくなる
- 遅刻欠勤などの勤念不良がよくある
- 就業先の情報を漏らす
- 「前の職場は◯◯だった」と無意味な比較をする
- 「コピー用紙の補充は私の契約にありません」と言ってやらない
- ちょっと怒られると翌日から来なくなる
- 派遣先の備品を壊してシラを切る
こんなことは日常茶飯事です。100人の派遣スタッフを抱えていれば毎月1人は誰かが無断欠勤します。こうしたことが起こる度に派遣先に謝罪することになります。
これ以外にも派遣スタッフから相談される内容やトラブルは何とも言えないものがたくさんあります。
こうしたことの繰り返しで精神的に滅入ってしまう人が多いので、とても離職率が高い業界でもあります。
業界再編により大手企業によるM&Aが止まらない
先ほども説明したように、マーケットは飽和状態にあるため業界の成長は見込めません。しかし、一人勝ちのような企業もない状態です。
そのため、業界トップになるために最も簡単な方法は買収です。特に独立系の人材会社が資本系の人材会社の買収が止まらない状態です。
資本系の人材会社とは、親会社やグループ会社に派遣することをメインとした派遣会社であるため、親会社やグループ会社に多数の派遣社員を送り込んでいます。
その派遣会社ごと買収してしまえば、そのグループ全体の派遣枠を取り込むことが出来てしまいます。
ザックリと業界が揺れた大型買収の例をいくつかご紹介します。
- リクルートがスタッフサービスを買収
- テンプスタッフがインテリジェンスを買収
- テンプスタッフがパナソニックエクセルスタッフを買収
- パーソルがアヴァンティスタッフを買収
- パソナがキャプランを買収
- パソナがNTTグループの人材会社4社を買収
- アデコがVSNを買収
人材派遣業界に転職するには
転職回数はあまり関係なく転職出来る業界というのが特徴でもあります。
短い期間で転職を繰り返している派遣社員を日ごろからよく見ているため、30代で転職5回くらいは許容範囲としている会社も多いように見受けられます。

大手の場合は20代の若手でなければほぼ無理ですが、中小企業でしたら40代でも転職は可能です。
さすがに50代になればマネージメント経験は求められます。
派遣業界での経験の有無はあまり関係ありません。専門的なスキルは必要ないし、労務関連の知識は入社後に勉強して身につけます。営業経験がある方ならば全く問題ございません。
とにかく離職率が高い業界なので、慢性的な人材不足な業界でもあります。給与も安いし精神的にも肉体的にもハードな業界なので業界全体がブラックであることは間違いありません。
あまりお勧めはしませんが、営業未経験でとにかく経験を積みたい人には良いでしょう。
転職活動でやるべきことの全てのことはこちらの記事にまとめました。
人材派遣業界で働いていた人の次のキャリア
ほとんどの人は同じ派遣業界ではもう働きたくないの人ばかりです。毎日起こるクレーム対応に心が折れてしまい、別業界に転職していく人ばかりを私は見てきました。
営業職での転職の場合、無形商材の営業職ならどこにでも行けることでしょう。
しかし、有形商材の営業に転職するのはかなり難しいのではないでしょうか。年齢にもよるので20代などの若手なら良いのですが、30代以降だとかなり厳しい状況です。
営業職以外でも人事採用職に転職していく人もおります。
派遣業界で得た知識を他の業界で活かす場面はあまりないので、転職に有利になるような業界はあまりございません。営業で培った行動量などを売るくらいでしょう。
どんな業界で活かしていけるのか、まずは転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。
- 【厳選】おすすめの転職エージェント
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- 20代・第二新卒向け転職エージェント
- 30代向け転職エージェント
- 女性向け転職エージェント
- ITエンジニア向け転職エージェント
- 外資系・ハイクラス向け転職エージェント
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